花井  補足と質問です。LSD検査のことで、4MUはこれからキット化されるのですよね。結局、LSDの検査法は愛知も東京もタンデムということになって、そうなのかと。機械を手配できるか、ランニングコストとか、人と機械の関係があるから、うちもちょっと悩むところがあるのです。キットのコストというか、そういうのがもしわかれば。
福士  KMBと熊大小児科で開発された、吉田さんが報告された方法を札幌IDL((株)札幌イムノ・ダイアグノスティック・ラボラトリー)でキット化することで契約を結んで試作品をつくるレベルまで来ているので、そんなに遅くならない時期には使っていただけると思います。
花井  タンデムのほうは、パーキンエルマー社からキットが出ているのですか。
酒井  6plexという6種類の疾患が同時測定できるキットがあります。
花井  内部標準キットということですか。
酒井  内部標準と基質が入ったものです。
福士  キットとしては、6plexと決まっているのですか。それとも、個別で買えるのですか。
酒井  6plexで6種類一遍に測る、それ1種類しかないです。
石毛  それとは別に、MPSⅡが図れるキットが別々にありますね。
酒井  別々というか、6plexがあって、オプションでMPSⅡとして別に販売されています。
福士  6plexだけど、実際には3つしか使わない。しかも、ほかは測定しないということですね。その分、ほかの内部標準とかがもったいない。
酒井  パーキンエルマー社には、3plexで測る見積もりでお願いしています。パーキンとしても3つの試薬もつくれないことはないのですけれども、その手間と効率を考えると、6plexを3plexとして売ったほうが効率がいいということで、値段的にも勉強していただいています。3 つしか使わないという約束で、試薬を入れていただいています。
真嶋  カスタマイズの話というか、測定しないものは要らないじゃないかという話ですけれども、私も同じことを考えていて、聞いたことがあるんです。結局、原料のコストの問題でして。原料の中には、例えば安定同位体希釈のインターナルスタンダードが入っているので、それなりのコストがかかるんですけど、逆にQCのバリデーションにも人件費がかかる。だから、減らすからいいということではなく、ある程度はパッケージになっているものを買ったほうが安いという説明ではありました。だけど、「どうしても必要なければ外すよ」といっています。
MPSⅡを我々もカスタムで注文しているんですけど、例えばフォーマットで96例、2プレート用のチューブにするか、1000アッセイとかバルクにするかでコスト試算してもらったことがあるのです。2プレート分ずつつくってもらったほうが、みんなでQCをやっているので、そこに流せるから安くなる。1000 個やる場合は、1000 個のQCをとっておかないといけない。それはお金がかかるよという説明だったりしました。製造コストもかかるのです。そこをどう考えるかです。
花井  タンデムの機械は専用機なのですよね。
酒井  うちは専用で使う予定になっています。
真嶋  機械の話ですけれども、実は必ずしも一番高くて高感度の機械を使う必要はないです。具体的に濃度でいうと、測定するのはマイクロモーラーオーダーの話です。バイオマーカーは、最近ではナノモーラーも高感度の機械で測りますけど、一方で酵素活性で測るのはマイクロモーラーなので、古い機械で十分です。
具体的には、酒井先生は8050という話でしたが、うちで論文とかを書いたのは8030+です。さらに、うちで実際に使っているのはQuattro Premier XEとかです。最新鋭の、例えば、6500とかそういうことではなく、どちらかといったらリタイアしたものです。むしろオートサンプラーが動くほうが重要で、そういうのでガンガンやったほうが、トータルとしてもコストパフォーマンスがよくなるのではないですかね。