ポンペ病に対する酵素補充療法が有効であることが内外でも明らかになってきました。そこで課題となるのが「早期発見」です。台湾で行われた研究の結果、新生児スクリーニングとその早期治療は、治療効果の向上につながることを証明しました。新生児期に早期診断することの重要性が改めて認識されています。「新生児期に見つけましょう」というのが1 つの大きな目標になっています。
そこで今回は、ポンペ病の診断と治療の背景を念頭に置きまして、専門の先生方からお話を伺い、意見交換を進めていきたいと思います。
まず最初に、国立精神・神経医療研究センター名誉院長の埜中征哉先生から、ポンペ病について解説をしていただきます。埜中先生はポンペ病の世界的権威であり、長きにわたる治療経験がございます。
続いて、臨床の現場で酵素補充療法や新生児スクリーニングに既に取り組んでいる熊本大学大学院生命科学研究部小児科学分野准教授の中村公俊先生からお話ししていただきます。
3 番目に、愛知県という非常に人口の多い地区で、新生児期のポンペ病のスクリーニングを今まさに開始されようとしております藤田保健衛生大学病院小児科教授の伊藤哲哉先生から、地域におけるポンペ病の新生児スクリーニングへの取り組み状況、今後のスクリーニングの意義などについてお話ししていただく予定です。
座談会風景